こんにちは。これから私たちの行っている深層筋治療を症状別に紹介したいと思います。
筋肉の悪い箇所は断裂(キズ)になっています。これをどのようにして症状改善しているかをごらんください。

●症状[クリックするとその項目に飛びます]










1 肉離れ

【症状】
・走っているときに「ブチッ」と音がした。
 1度(軽)……歩いたりすると痛みが走る。
 2度(中)……杖などを使わないと歩けない。
 3度(重)……完全断裂=手術。

【治療回数】
・1回60分を1?3回程度。

【治療ポイント】
・大腿後面・ふくらはぎに多い(写真1・写真2)。
 

【治療手順】

・肩こり・腰痛など、すべての症状は、筋断裂(キズ)です。このほとんどは「1度」です。
・症状の「2度」までが深層筋治療の対象で、大腿後面やふくらはぎなどの深部まで断裂したときに起こります。
・筋肉の断裂部に直接母指をあて、押し続けます。痛みに耐えられる範囲で押し続けると、断裂で←→のように裂けていた筋肉の自然治癒力が働いて、→←のように近付き、筋肉がふさがります。
・1回60分で、杖がないと歩けなかった状態から、歩いて帰れるところまで回復します。キズの数によって60分を複数回治療します。
・このような急性症状こそ、深層筋治療の腕の見せ所です。「絶対安静」と言われた方、ぜひお試しください。
・以前に肉離れをして「治った」と言われたが違和感があり、また切れそうな方は、筋断裂(キズ)がふさがっておらず、表面の筋膜が固まっているだけなのです。スポーツ選手で肉離れを繰り返す方は、キズが治っていないのです。
・この深層筋治療で絶対安静は必要ありません。1回の治療で確実によくなります。トレーニングをしながら治療をしていき、100%のパフォーマンスができるまで練習を休まずに改善していきます。

【メンテナンス】

・慢性的な肉離れは、キズの消失のあと、写真3のように(大腿二頭筋)筋全体が筋スパズム(スジ)になって突っ張っていますので、肘でスジを細くして緩めます。


2 膝痛(その1)

【症状】
・階段を降りるときに痛い。
・正座が出来ない。

【治療回数】

・1回15分を3~4回程度。

【治療ポイント】

・写真1の内側広筋、写真2の内転筋、写真3のひ骨頭周辺。
  

 
【治療手順】
・膝の痛みは筋硬結(しこり)が上記3点のどこかにあり、これが膝を伸ばしたり曲げたりして狭まる(かんとん症状)ことによって痛みます。
・まず、どこが痛いのかを聞きながら押します。
・押すと「ズーン」とする放散痛の出る方向に押し続けいます。
・慢性的な方は痛みのポイントに筋硬結(しこり)が固くなっているので、写真4のようにナックルでこすり(摩擦)ます。こすりと押す、これをセットで繰り返すことで楽になります。

・痛みが抜けた後は、膝の上部に違和感を覚えます。これは長年の血流の悪さから「むくみ」が固まっているので、これを肘や母指でこすって小さくすると軽くなります。
・重さが抜けた後に「突っ張る」感じが残る方は、長年の蓄積で筋肉がスジ(筋スパズム)になっているので、これも肘や母指でこすって細くして緩めます。

【メンテナンス】

・膝痛の方は腰痛からきているケースも多いのです。
 腰が痛い→腰を伸ばせない→バランスをとるため膝が若干曲がって立つ→膝が緊張したまま何年も経つ…。このため、膝痛が抜けた後に腰痛が出た方はそちらも治療してください。

3 膝痛(その2)

【症状】
・走ると膝に痛みがある。→ランナーズニー
・病院で「安静」「練習中止」と言われた。

【治療回数】

・1回15分を3?4回程度。

【治療ポイント】

・写真1の腓骨頭上部
・写真2の内側広筋
・写真3の外側広筋  以上3点。
   

【治療ポイント】
・走って痛みのでるランナーズニーは上記の3点です。先ずどこが痛いのかを聞きながら探します。
・痛みの箇所が分かった後は「ズーン」と痛みの出る(放散痛)方向に押し続けます。
・長年の痛みを持っている方はこの部分の筋硬結(しこり)が非常に固くなっているので写真4のようにナックルでこする。→押し続ける。をセットで繰り返し小さくします。

・痛みが抜けた後は必ず大腿部(前面、後面)の「張り」を感じます。これも肘でこすり(摩擦)、筋スパズム(スジ)を細くして緩めます。

【メンテナンス】

・ランナーズニーで練習ができない最悪の場合、もう二度とできない…と考えている方も多いと思います。こういう方は是非我々のところへご来院ください。練習→治療を繰り返して(安静)などせず、100%のパフォーマンスを約束します。
・膝痛は抜けたが走るのが恐い…という方は、治療を続けながら膝周囲の筋肉を鍛えます。ランナーズニーになるのは前に足を出して伸びたときに負担がかかるので、膝が伸びない程度の歩幅でゆっくり走ります。最初10分から徐々に時間を延ばしていくと膝(お皿)の両サイドが強くなり、3か月もすれば30分以上は走れます。本当ですよ!!

4 膝に水がたまる

【症状】
・膝に水がたまり、階段を降りるとき痛い。
・病院でよく水を抜いてもらう。

【治療回数】

・1回15分を3~4回程度。

【治療ポイント】

・写真1の内側広筋、写真2の内転筋。
 

【治療手順】

・膝に水のたまるポイントは上記2点です。ここに筋硬結(しこり)ができて循環動態の悪さから水がたまります。
・病院で膝の水を抜いても、元のしこりを除かなければ何回でも繰り返します。
・写真1、2の箇所を「ズーン」とする放散痛の出る方向に押し続けます。痛みが小さくなるに従いしこりも小さくなっていきます。
・しこりが完全に消失すれば水がたまることもなくなります。今までに何人もの方の治療をしましたが、再び水がたまったという方でも1~2回でまた良くなりました。

【メンテナンス】

・痛みの原因は筋硬結(しこり)によるものです。この考えがしっかりしていれば、どのような膝の痛みの方にも対応できると考えています。

5 脚のむくみ

【症状】
・ふくらはぎがむくんで脚全体が重い。
・夕方になるとむくんでくる。

【治療回数】

・1回15分を2回程度。

【治療ポイント】

・写真1のふくらはぎの3線と写真2の足裏(特に親指と人さし指の間)。
 
   

【治療手順】

・ふくらはぎのむくみは足裏からくる筋疲労(後脛骨筋、長母指屈筋)の影響です。親指の土踏まず付近から内くるぶしの下を通り、ふくらはぎの中心を通る筋の疲れからくるものです。
・従ってふくらはぎの治療だけではむくみはとれません。必ず写真3のように足裏(親指と人さし指の間)をナックルで上下に動かします。こうすると筋肉がガリガリとする筋スパズム(スジ)にあたります。最初は痛いのですが、1~2分後にはかなり気持ちよくなります。

・次にふくらはぎの写真1の3線を肘でこすり(摩擦)ます。特にふくらはぎがよく「つる」方は写真4のように激痛になるポイントがあり、これもむくみの原因になるので、耐えられる範囲でこすります。

・治療後は、①脚が軽くなる、②足裏でしっかり床をつかんでいる感じがする、③帰りの靴がユルユルになる、本当です。

【メンテナンス】

・外反母趾の方もよくむくみます。これは外反母趾の治療も合わせて行っていくと効果大です。

6 成長痛(オスグッド)

【症状】
・成長期、関節が痛む。

【治療回数】

・1回15分を4~5回程度。

【治療ポイント】

・膝関節周囲に特に多く、写真1の内側広筋、写真2の外側広筋(オスグッドも同じ)。
    

【治療手順】

・成長痛の中、高校生を見て分かったことは、成長痛は関節が痛いのではないということです。
・骨の著しい成長に筋肉の成長がついていけずに関節をまたいでついている筋肉の付着部が痛んでいるということです。
・ポイントは写真1または2、この箇所に集中しています。ここを「ズーン」とする方向に押し続け放散痛が止まるまで押します。
・痛みが抜けた後は必ず大腿部が「張る」ので、写真3のように筋肉を緩めて伸ばしていきます。


【メンテナンス】

・成長段階で、一度成長痛になった方は治療をしても1年後、2年後にまた痛みます。しかし、そのときに治療をすればすぐ痛みは取れますので痛くなりそうだなあと思ったときにご来院下さい。


7 こむら返り

【症状】
・寝ているときにふくらはぎが「つって」激痛で目を覚ました。
・疲れるとつりやすい。

【治療回数】

・1回15分を1~2回程度。

【治療ポイント】

・写真1の後脛骨筋、長母指屈筋のこの1点。
   

【治療手順】

・こむら返りは足裏から写真2のように上記の筋肉がつながっています。
・足裏の痛みからくるのですが、「つる」ポイントは写真1の1点です。何故ここに集中するのかはよく分かりませんが、ほぼ全員そうです。
・このポイントを写真2のように母指で痛みが「ズーン」が一番来る方向に押します。

・痛みが和らいできたらこの中心を通る筋肉を写真3のようにこすり(摩擦)して緩めてきます。


【メンテナンス】

・よく、こむら返りをする方は足裏も疲れているので、№40~41のように足裏の治療をすることも効果的です。


8 アキレス腱断裂

【症状】
・走っているときに「ばきっ」という大きい音がして振り向いた。
 →1度(軽)―歩けるが痛みがある。
 →2度(中)―杖がないと歩けない。
 →3度(重)―完全断裂=手術。

【治療回数】

・1回60分を1~2回程度。

【治療ポイント】

・アキレス腱の写真1の部分に多い。
   

【治療手順】

・症状の2度までは深層筋治療の範囲内です。ただ、腱は筋肉より硬いため、治療時間が若干かかります。
・杖をついて来られた方でも帰りは固定せずに帰れます。重度の方でも60分を3回でかなり楽になります。また、この場合は通常、「安静で6週間はスポーツ中止」ですが、我々は翌日にできる範囲の練習はしていいですよと言います。我々の治療は「安静、固定をして良くする」のではなく、「トレーニングを続けながら良くする」方法です。
・写真2のように断裂部を痛みに耐えられる範囲で押し続けます。肉離れと同じように← →の力が働いて切れた腱が患部を押すことで自然治癒力が働き→ ←に近づいて塞がっていきます。

・1回60分ですべて痛みがとれた場合もかなり楽になります。また2回目の60分では歩行は大丈夫になるでしょう。ここから練習を再開してどのくらいの動きで痛むかを把握し、3回目からは15分ぐらいでも良いので徐々に100%に持っていきます。
・アキレス腱断裂を過去にやって違和感のある方も多いと思います。この場合は写真3のようにナックルで断裂部を覆っていた固まり(しこり)を除いてから患部を押していきます。肉離れと同じで放置しておくと「再発」の可能性大です。


【メンテナンス】

・アキレス腱を痛める方はその面サイドの筋肉も痛めていて、これが集中して腱に負担をかけていますので、ふくらはぎからくるぶし(内、外)周辺の筋肉も緩めていきましょう。


9 O脚矯正

【症状】
・両膝の間隔が広い(まさしくO脚)。

【治療回数】

・1回15分を10~20回程度。

【治療ポイント】

・写真1の腰仙移行部、写真2の仙腸関節付近。 
    

【治療手順】

・O脚は「腰が入っていない」ために徐々になる症状です。写真1が真っすぐにならず、腰が伸びないためバランスをとるために膝が曲がる。それが長年の蓄積で膝が外に広がります。また、腰が反りすぎても、バランスをとるため膝が後方に引けすぎて外に広がります。先ず、写真1、2の箇所に必ず筋硬結(しこり)があるのでこれを押します。
・写真1の箇所にしこりがあると腰が伸びない。写真2の箇所にしこりがあると骨盤が真っすぐになりませんので、ここを腰の治療と同じようにすすめます。
・腰~骨盤が真っすぐになってきた後は大腿部の外の広がりの調整です。先ず、写真3の股関節を肘でこすり、この周辺の靭帯を緩めます。

・次に写真4の時関節の筋硬結(しこり)を押します。O脚により、この箇所が固まり膝の内側が圧迫され膝が真っすぐに伸びなくなっています。

・次に写真5の外側広筋、腸脛靭帯が外側に引っ張られているので肘で筋スパズム(スジ)を伸ばし緩めます。

・最後に写真6の内果の後脛骨筋を緩めます。O脚の方はバランスをとるため、外=膝、内=足首になっていますので、ここでしっかりと治療します。


【メンテナンス】

・O脚矯正は腰から下の全てのバランスを整えていくので時間がかかります。一番見落としやすいのが腰の治療です。ここが真っすぐにならないと他の箇所をいくら治療してもO脚は矯正されません。