こんにちは。これから私たちの行っている深層筋治療を症状別に紹介したいと思います。
筋肉の悪い箇所は断裂(キズ)になっています。これをどのようにして症状改善しているかをごらんください。

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1 寝違え

【症状】
・首を少し動かしただけで激痛が走る。
・肩こりによって筋肉が収縮してしこり(筋硬結)ができ、そのまま動かさずにいることで緊張状態が続くと、筋肉は伸びる力に弱くなる。そのとき、首を逆に動かすと、筋肉が断裂(キズ)し、激痛になる。
・背中でも「寝違え」は起こる(「背中の痛み」参照)。

【治療回数】
・1回30分を1?2回程度。

【治療ポイント】
・写真1の肩甲拳筋。


【治療手順】

・写真1の首の付け根付近に触れると断裂部が確認できます。
・痛みの強い方向に耐えられる強さで持続的に押し続けます。
・痛みは筋肉の断裂(キズ)により起こりますので、押されると「ズーン」とする放散痛を出します。しかし、慢性的な痛みでなく、急性期では痛みが激しいので、耐えられる強さで押します。放散痛を確認しながら押し続けると「キズ」は小さくなり、症状は改善します。
・痛みが弱まったあと、キズの箇所に固いしこり(筋硬結)があります。ここを写真2のように肘でガリガリとこする(摩擦)ことにより、寝違えの元を絶ちます。

・写真3のように首の動きを確認し、痛くない場合は終了です。


【メンテナンス】

・寝違えは肩こりが第一です。肩から背中(肩甲骨内側)の治療も合わせて行います。
・何回か寝違えをしている方は、週1回は治療を続けてください。

 

2 肩の辛さ(肩こり)

【症状】
・寝違えのような痛みがある。
・肩が重い、または首を横に倒すとつっぱる。
・ストレスや同一姿勢のキープによって起こりますが、放置しておくと、目の疲れ・偏頭痛・顎関節症・耳鳴り・指先のしびれ・背中の痛み等を引き起こします。

【治療回数】

・1回15分を2?3回程度。

【治療ポイント】

・写真1の肩甲拳筋、または写真2の僧帽筋。
 

【治療手順】

・写真1の肩甲拳筋(首の付け根付近)に筋断裂(キズ)があるかを確認します。ここにキズがあると痛みがあるので、ここを痛みのある方向に押し続けます。
・痛みが軽減したら、写真3のように肘で筋硬結(しこり)をガリガリと摩擦(こする)して小さくします。

・次に写真2の僧帽筋を写真3のように、横に張っている筋スパズム(スジ)を肘で摩擦(こする)して細くしていくことで、つっぱり感や重さが軽減します。
・背中につらさがある方は背部の治療(「背中のつらさ」参照)、頭痛がある肩は頸部の治療(「頭痛(その2・偏頭痛)」参照)を行います。

【メンテナンス】

・肩こりは、背中から背部にかけて複数のつらさを併発するので、そのつらさに応じて治療していきます。
・慢性的な方は、週1?2回は必ずメンテナンスを続けましょう。

3 五十肩(その1:肩関節)

【症状】
・じっとしていても肩が痛い。
・腕が水平以上、または後方に回らない(「五十肩(その2)」参照)。
・右肩を痛めたら、その後左肩も(その逆も)傷めやすい。

【治療回数】

・1回15分を最大3か月(普通は1年以上かかります)。

【治療ポイント】

・写真2・写真3の三角筋の腱。

【治療ポイント】
・五十肩は、本来なら腕を動かすはずの肩甲骨の動きが肩こりによって悪くなり、肩関節のみで腕を動かし続けた結果、腕が肩関節と摩擦を起こすことによって炎症を起こし、痛みを生じます。肩関節はあらゆる方向に動くため、写真1?3のように「痛みが移動する」感じがあり、治るまでに時間がかかります。
  

・まずは肩の痛みより先に、肩こり(「肩こり」参照)、肩甲骨内側(「背中のつらさ」参照)の治療をし、肩甲骨の動き(可動域)を広げ、三角筋が肩関節に当たらないようにします。これにより、かなり楽になります。
・次に三角筋の腱のどこが痛いのか(写真1?3)を探します。これはその日によって違うので、痛い順番に押していき、1か所ずつ痛みをとります。
・痛みがとれたら、「10.五十肩(その2)」に移ります。

【メンテナンス】

・痛みも肩関節周辺から腕まで広がるため、根気よく治療しましょう。
・痛みが移動している感じですが、1回ごとに必ず楽になるので、ご安心ください。
・除痛の後は腕の動きを広げる必要があるので、「五十肩(その2)」をご覧ください。

4 五十肩(その2:腕が動かしにくい)

【症状】
・腕が前から、または横から動かしにくい。
・腕が後方(背中側)に回りにくい。

【治療回数】

・1回15分を最大3か月(普通は1年以上かかります)。

【治療ポイント】

・写真1の肩関節周辺か、写真2の上腕二頭筋など。


【治療手順】

・痛みがとれた状態からの治療ですので、腕の動きの悪い箇所を探します。写真1・2の間に多いのですが、上腕の後面や脇の下のときもあります。

 肩関節はあらゆる方向に動くため、複数の箇所に散在し、治るまで時間がかかるのです。
・動きの悪いところにはしこり(筋硬結)があるのでここを写真3のように横に肘を動かして(摩擦)しこりを小さくします。

・腕の動きを確認しながら、これを順次くり返していきます。
・治療が長期間になることが多いので、肩・背中の治療もときどき行います。
・肩・背中・肩関節・上腕・脇の下と幅広く治療していくので、焦らずにやっていきましょう。自然に治るのを待つと1年以上かかります。最大で3か月、早い方は2週間ぐらいで改善し、1回ごとによくなっていくことが自覚できます。二度と五十肩にならないよう、しっかり治療を継続してください 。

【メンテナンス】

・片方だけがよくなった場合、何年か後にもう片方も痛くなるケースが多いので、両肩のメンテナンスを続けてください。
・慢性的な肩こりがある方は、週1?2回は治療を続けましょう。

5 ムチウチ症

【症状】
・交通事故等、強い外力により筋断裂(キズ)が起こる。
・「雨が降ると神経痛が起こる」等と言われますが、筋肉のキズによる痛みです。

【治療回数】

・1回15分×筋肉のキズの数(5、6回から1か月)。

【治療ポイント】

・写真1の多裂筋、または最長筋。
・写真2の頸部にも起こることがある。
   

【治療手順】

・まず写真1の付近で筋断裂(キズ)が何か所あるかを探します。痛みが強い箇所はわかりやすいのですが、小さいところはカッターでスッと傷をつけた程度なので、慎重に触診します。
・(例えば5か所ある場合)どこが一番痛いかを患者様に聞き、そこからじーっと持続的に押します。必ず「ズーン」とする放散痛があるので、これが消えるまで押します。
・キズが小さくなり痛みが軽減してきたら、写真3のように傷口をこすってさらに小さくし、また持続圧迫をして消します。

・この作業をすべてのキズに対して行います。今まで神経の痛みと考えていた方は、筋肉のキズが一つずつ小さくなり、楽になっていくので必ず驚かれます。

【メンテナンス】

・交通事故によるむちうち症等は、筋肉のキズの治療が終了した後に、ほかの箇所(腕、脚、腰)に痛みがでる(気付く)場合があるので、そちらも治療し、必ず原状回復(元に戻る)いたします。
・交通事故以外の方も同じです。すべてがよくなるまで、しっかりと根気よく治療していきましょう。

6 背中の痛み

【症状】
・肩甲骨の内側に「寝違え」のような「ズキーン」とする痛みがある。
・背中がつらく、家の柱でごりごりとこすりたくなる。
・背中がかゆくなることが多い。
・肩こりから起こりやすい。

【治療回数】

・1回15分を2?3回程度。

【治療ポイント】

・写真1の腸肋筋。


・心臓が苦しいと感じる場合は写真2、胃の後方が苦しい場合は写真3。
    

【治療手順】

・まず、どのポイントに痛みがあるかを触診します。
・痛みの箇所にはしこり(筋硬結)があり、ここに筋断裂(キズ)のあるところから痛みを出しているので、ここを「ズーン」とする放散痛の出る方向へ持続的に押します。
・痛みが小さくなった後は、写真4のように肘でゴリゴリとこすり(摩擦)、しこりを小さくしてキズを消していきます。

・病院で、背中・心臓や胃の後方に痛みがあるのに「異常なし」と言われた場合は、写真1?3の箇所に筋肉のキズがある場合がほとんどなので、一度お電話ください。

【メンテナンス】

・背中の痛みは肩こりからくるので、肩の治療も合わせて行います。
・ときどき腸肋筋より下にいき、腰(横の部位)に痛みがある方もおられます。合わせて腰の様子も診ていきます。